レッスン4(パリ記6)

ポーリー先生は美しくエレガンスな方である。
チャーミングな笑顔で、
いつも丈の短いスカートにハイヒール。

足をきちんと斜めに揃え、
ニコニコしながら奏でる様は
まるで大輪の薔薇…

そんな先生と筋力の話になった。

「ほら、ここをご覧なさい」
先生のふくらはぎの筋力は半端無くひきしまっている。
見栄えだけでなく、リズムをとる時に重要なのだそうだ。
ハイヒールのたまものである。

そして、先生愛用の、
素敵な赤い革のハンドバック。
「どうかしら、あなたもやってみて?」
と、小指だけでそのハンドバックを持ってみせる。
地厚で質の良い素材、
しっかりした作りでしかも大きいサイズ、
書類も入って相当重いのである…!

さらいちゃんとも話していたのだけれど、
アコーディオンを弾いていると
服装に色々制約がある。
短いスカートははけない、
楽器が重いので、
鞄は軽い素材のもので、
靴も腰に響くので低めのヒール。

そういうアコーディオン弾きも事実たくさん存在する。
しかし先生はそれよりも
お洒落にエレガンスであることを選び
かつ体を鍛えている。
…エレガンスの影に根性あり。

「アコーディオンはスポーツなのよ!」
…はい、私もかねがねそう思っております…!