「ゆめ」Accordion solo

宇都宮の朗読家、青木ひろこさんと去年秋に開催した、「秋宵幻想夜話」という公演のために作った曲です。

萩原朔太郎「猫町」をメインとした公演で、もう一つ何か短い作品を、という話になった時に、青木さんが「この詩、藤野さんのアコーディオンにぴったりな気がする」と
持ってきてくださいました。
それが、室生犀星の詩「ゆめ」。

わたしはゆめを見た
ひとつきりのゆめを………
(略)

果しない遠いところへ
微妙なこどものやうになって
星のなかへ
そこでさまざまなものに逢ふ
さまざまなけだものに逢ふ
ものをいはない影のやうな人物に逢ふ
そこにゐるものはみな裸で
美しい光のなかに遊んでゐる
(了)

ゆめの中で、自分自身の心に出会い、
何ものとも分け隔てなく交感し自由にさまようからだ。

この詩を読もうとひらめいた、青木さんの知識とセンスに驚嘆です…
すぐ音が浮かびました。

というわけで、詩を読んだ時に感じた自由な気持ちそのままに、
浮かんできたフレーズを曲にしました。
アコーディオンの音色の持つ浮遊感、透き通った感じを音にうつしたいと思いつつ…

今回はアコーディオンのアルバム、ということで一番広いスタジオで録音しました。
天井高!!のびのび!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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