嵐の一日(Achill Island~Clifden/愛)

b9cf1393.jpgアイルランド最大の島、アクル(アキル)島へ。
最大といっても、東西22キロ、南北19キロ。
海岸線が美しい事で有名な島である。
この島からは、七年に一度、
幻の島、ハイ・ブラシルが見えるという伝説もある。

Rivendell「Aeolian」には、
木村君作曲の「アクル島の虹」というインストを収録している。
うすら寂しい曲なので、そんなイメージを持っていた。

橋を渡って島に入ると…うすら寂しいというより、
手厳しい…といった感じであった…

天気はぐずついて、吹きすさぶ風、
崖に近づくとビュー、ゴゴゴゴ…とものすごい音で、
そのまま海まで飛ばされそう。雨が打ちつける。しかも寒い。

海岸線沿いの景色を楽しむための
アトランティック・ドライブという道路を通るが、
悠長に風景を楽しむどころではないのだった…

島自体は、人口も少なく、
ちょっとした集落は点々とあるものの、
あとは断崖と、羊の放牧と、ごつごつした山が占める。
ゲール語地域なので、看板もすべてゲール語のみ。
ううむ…分からない…

道路の終点は、山に囲まれるようにして
ひっそりとある、最西端の海岸。
しかし降り立った砂浜から広がる海は壮大すぎて、
私なんかが撮るカメラのファインダーには収まりきらない。

帰り道、ちょっと雨が止んだすきに、
山の中腹にあるというドルメンに向かってみる。
表示看板からかなり遠く、
島の集落を遙か見渡せる高さ位になって、やっと見えてきた。
途中、羊の白骨死体に驚く…(涙)
そりゃこんなところだったらそのままにしておくか…

…天気の良い日に来ると、イメージも変わるんだろうなぁ…。
(いや、こうした荒涼とした空気感は好きなのでいいのだけれど)

本土に戻ると、天気はますますひどく台風並みに…。
コネマラ地方の小さくて可愛らしい街、Clifdenへ。

夕食をとろうとパブに入ると、
「今日のスペシャル・ビーフストロガノフ(ライス付き)」
とある。これはもしや、日本で言うところのハヤシライスでは!
期待してオーダーすると、
来たのは、真っ白なソースのかかったライス。
確かにビーフはたくさん入っているが…
白いが、ホワイトソースというわけでもない。
塩味の、つかみどころのない味だったが、
案外気に入って完食。

ここもパブでのセッションが結構あると聞いていたのだが、
この日は、重要なフットボールの試合中継があって、
どこのパブも白熱していてライブところではなかった。
贔屓のチームが勝った時には雄叫びが上がり、
かなり凄かった…。

…余談ながら、サルタレリというアコーディオンメーカーには、
アイリッシュミュージック用の「Clifden」という名の
ピアノアコがあって密かに憧れているのだが、
なんでこの街の名前が付いているのかは、
行っても分からなかった。単なるイメージなのだろうか…。