お別れ

私のアコーディオンの師匠である、
中嶋正作先生がお亡くなりになり、
告別式でした。

壇には先生が大切にされていたアコーディオンが並び、
遺影の中の先生は、いつものように、
アコーディオンを演奏されていました。

出棺の時は、弟子一同で、
「ビア樽ポルカ」を演奏してお見送りしました。

一度泣いてしまったらもう泣きっぱなしだと思って、
ずっと心をフラットに保っていたのに、
演奏をし始めると、
あの明るいメロディに乗せて
たくさんの記憶がよみがえってきて、
何度も涙がこみあげてきました。
止まっちゃ駄目だと言い聞かせ、
最後まで演奏しました。

父のいない私に父親代わりと
何かと気に掛けてくださり、
いつでもあたたかく迎えてくださいました。
音楽、そして人生の師でした。
今私がこうしてアコーディオンを弾いていられるのは
先生のおかげです。
たくさんのご縁もくださいました。

生徒一人一人に愛情を持ち、
その個性をおおらかに伸ばしてくださった先生。
たくさんの譜面を生徒のために手書きで作り、
嬉しそうにくださった先生。

十分に御恩返しも出来ないままの不肖の弟子ですが、
私も先生のような心を持つ教師でありたいと思います。

ご冥福をお祈りいたします。