「レコーディング二日目その1」フィンランド演奏記その10

レコーディング二日目。前日スタジオにアコーディオンを置いて帰ったので、今日はPhillipと一緒に、電車でスタジオへ。Kimmo Pohjonenのマネージャーとして数々の危機(!)を乗り越えてきたPhillipは、危機管理能力が高い。家近くのバスが少しでも遅れれば、タクシーに切り替え、早め早めの行動で、スタジオ最寄りのオウルンキュラ駅に着いたのは、40分前。スタジオ前の公園でぶらぶら散歩。光がキラキラ、気持ちがいい。
しばらくしてバイクが颯爽と目の前を通り過ぎていった。こちらに会釈したような…Speedyだ!

そしてレコーディング開始。二日目になるとやや難しい曲などが残っている。

Speedy「今のどうだった?」
Timoさん「だめだあそこがうまくいかない、もう一回やらせてくれ…」
私「すみませーん!全然できませんでした!!」

どちらかが出来なかった時は、一緒に録りなおす。しかし、何度もやり直ししすぎても疲弊するだけで、段々クオリティが下がってゆくだけ。なので、なるべく少ない回数でクリーンヒットを出さねばならない。
片方だけが録りなおすということは結局ほとんどしなかった。

TimoさんとSpeedyは数々のアルバムを一緒に作り、Timoさんは彼に全権の信頼を置いている。そしてSpeedyもズバズバと的確に意見を言う。

「Timo、今のテイクより、一つ前のテイクが美しかったのですが、いかがですか?」

と、スピーディに編集して、聴かせる。

「Cool!それで行こう!」

私にも「ユカ、こんな静かな曲(So far2)なのに、なんで最後のフレーズ、重い音色なんだ?お前はそれでいいのか?」

「…すみません…なおします!!」

そんなこんなで必死にレコーディングをしている最中、Phillipは一言も口を挟まず、隅っこで存在を消していた。あのおしゃべりなPhillipが…さすが空気を読んでいる。
時折私が不安げに「どうかな?」と目で聞くと、GOODサインを送ってくれる。
そして、静かにレコーディング風景を撮影してくれている。我々にそんな余裕はないので、ありがたい。そこもさすが…(そういえばコンサート中も、記録録音の管理と撮影をやってくれていた)

そして、レコーディング予定曲(=コンサートで演奏した曲)は全て終了。しかしスタジオの時間はまだ余っている。リハで試してコンサートではやらなかったTimoさんの曲「Ladybird」(Timoさんのソロアルバムに収録されている私が大好きな曲)、アンコールで演奏したフィンランドタンゴ「Hiljainen Kylätie」もレコーディングした。タンゴをTimoさんが録音しようと言ってくれて嬉しかった!

二日間で計13曲!よく録りました…

この日のお昼も皆でショッピングモールに行くも、皆大好きサラダバーは臨時休業。スーパーでお惣菜を買う。私はサーモンサラダ!(いずれにしても皆サラダ)。Timoさんはこの日もいちごを買ってくれました。ミートボールは半分つ!

この後は動画撮影。いよいよ最後のミッション!