…そういえば、ここまで書くのを忘れていたが、
今回は外国人向けの汽車のフリーパス、
「ブリトレイル・パス」というのを利用して旅をしている。
というわけで、もとをとるべく出来る限り汽車利用である。
汽車は、えらく時間がかかるが、
距離感や風土を実感するにはもってこいだ。
(いねむりさえしなければ…)
バスみたいに酔わないし…
…しかし、本数が少なかったり接続が悪かったり、
ということが少なからずある。
遅れることも多いし、
逆に早く着くこともある(時間調整なんて、ない)。
おかげで、長い待ち時間に中継駅の周辺を散策したり、
など色々楽しみもあったのだが…
この日は朝8時エア駅発に乗らないと、
この先のフェリーに乗れない!
という日だった。
急いだ私はふたの閉まりきっていない、水入りペットボトルを
リュックサックにつっこんだまま走り続けたことに、
汽車の座席に乗り込んでから気づいたのだった…。
録音機やカメラ、メモ帳やら、
車内で読もうと思っていたバーンズ詩集やら…
てぬぐいやら上着やら…
おおよそ身近に必要なものが一揃いびしょぬれ。切ない…。
ジュースとか糖類じゃなかったのが不幸中の幸いか…
悲しー気分で、テーブルに一式干す。
窓際は日射しが強いのでよく乾く。
テーブルが広いのも、こちらの国の汽車のいいところである。
そこからアイルランド・ベルファストへ向かう
フェリーに乗る。
…これが一度中に入るとえらく広くてゴージャスだ。
様々な店舗が入り、
窓際に配置された椅子もオシャレで、ホテルのラウンジのよう。
(写真だと伝わらないが、左側の仕切りはVIP席)
予約でもないと座れないんじゃないか…という感じで
なんとなく落ち着かない。
北海道に行く時に乗った「きそ」とか「いしかり」が恋しい…
そしてベルファストからダブリン、乗り換えてスライゴーへ。
スコットランドとはトーンの違う緑の色、広い大地。
空がぽかんと広い。
ここ数日ですっかりスコットランドになじんだ寂しさと、
新しい国への不安(空気感がやはり全然違う)に、
少ししょんぼりした気持ちで電車に揺られる。