ツリーハウスの森へ(オオフジツボ東北ツアーその4)

翌日は青森県八戸へ。
途中、オオフジツボで参加している、
平泉世界遺産記念アルバム「久遠の鐘」に
方言詩の朗読が収録されている、
詩人の相澤史郎さんと北上で会食。
気さくながら眼光鋭く、
詩やお芝居のこと…
面白いお話をたくさんうかがいました。

そして八戸へ。
途中、天気は青空だったり、急な雨が降ったり。
「青森」とはその名の通りとあらためて気づく。
緑がどんどん深くなっていく。
運転手壷井さんが長距離運転を乗り切るため
超ゴキゲンなBGMでぐんぐん進む。

そして会場。
大きな道路沿いを一歩入ると、
すぐに森の入り口。
その中にツリーハウスがいくつも
立ち並んでいます。

その中央あたりにステージが設営されていて、
たくさんの方々が準備中。

音響の安藤さんは、
一昨年の平泉イベントぶり。
新しく買った機材に
「ユカ一号」と名前を付けてくださってました!

照明は、小さな電飾がたくさん。
キャンドルもいたるところに…!

リハーサルがはじまるまで、
中をふらふらと見学していると、
イベントの実行委員長、戸川さんが
南部煎餅の手焼きをすすめてくださる。
東京でもたまに買う位好きなのですけど、
焼きたてはしっとりしていて、
噛むと小麦の香りが。
おいしかった!

今回のイベントの立案者の一人は、
すばる文学賞を受賞された、
八戸出身の作家、木村友祐さん。
その受賞作がこのツリーハウスをモデルにした
『海猫ツリーハウス』。
そのツリーハウスを全て一人で作られたのが、
現代美術家である、
木村さんのお兄さんなのでした。

小説は全くのフィクションなのですが、
実際の地に立つと、
あぁここが、とかこの人が、
…なんてイメージがふくらんでしまいます。
(若き主人公のくすぶりや葛藤を、
八戸という土地と共に生き生きと描いていて、
一気に読んでしまいます。是非!)

そうこうしているうちにイベントが始まる。
まずは、木村友祐さんと柾谷伸夫さんによる
リーディングステージ。
方言によって書かれた詩と小説の朗読。

まずは木村さんからこのイベント、
そして東北への思いが語られました。

方言は会話、ましてや文章ともなると
分からないことも多い。
相澤史郎さんの詩も
私にとっては、
そうしたもどかしさがあるのですが、
朗読やお芝居を通して南部弁の普及活動を続ける、
柾谷さんの朗読は聞いただけで
驚くほどすっと意味が入ってきます。

ごつごつとした質感。
様々な逆境の中で
土地に生きる人々。
傍観するしかできない者の苦悩。
詩自体が書かれたのは
もう何十年も前だけれど、
今この時代に読まれ、
常に存在する「暗」の部分を
考えてしまいます。

勿論、「明」の部分もたくさんあって。
それもまたこの旅で感じたことでした。

そしてオオフジツボのステージへ。

写真
○ツリーハウス!
○南部煎餅を焼く、実行委員長の戸川さん。
あまちゃん好き!
○会場前のステージ。
○木村さんお話中。熱心に聴く。

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