本番。
今回の一連のツアーもそうだが、
私にとって、毎回のコンサートが「これが最後」である。
どんな演奏だって、基本的に「次」というのは、保証されていない。
音楽は生ものであり、
それに関わる人の感情も刻一刻と変わってゆく。
誰も何の確約も出来ないのだ。
さびしいけれど、仕方のないことだ。
でも、だからこそ面白い、というのもある。
一期一会である。
この広い世の中で、時とタイミングがあって
様々なミュージシャンと出会い、
演奏が出来るというのも一つの奇跡だなと思う。
だから、当たり前のことだけれど精一杯やりたいと思う。
今回のツアーで大切に毎回積み重ねてきた音を、
最後の公演にすべてそそいだ。
楠さんは長年ZABADAKのサポートとして
演奏されているだけあって、
包み込むようにがっちりとリズムを打ち出すかと思えば、
時に繊細に刻んだり、曲に沿うパーカッションを演奏される。
モニター(演奏中、自分やメンバーの音を聴くためのもの)
を通すと、楠さんの振るシェイカーが
空中の様々なところに舞っているように聞こえてくる。
音楽の中に、不思議な自然現象が発生したかのようだった。
会場もとても盛り上がった。
本当は私もスタンディングして暴れたかったけれど、
マイクの都合上、断念…
心から尊敬するミュージシャンの皆さんとこうしてご一緒出来て、
楽しかった!