「コンサート一日目その2」フィンランド演奏記その6

客席はびっしり。80人位があたたかく、しかし、じっとこちらを見ている。最初の曲は、私の独奏からはじまるTimoさんの「Amare」。心がふるえる。この音はこの国のひとたちに届くのかどうか…。最初は緊張に震えたけれど、曲が進むにつれ、今この場所でTimoさんと演奏をしている喜びでいっぱいになった。泣きたくなるくらいに。

数曲演奏し、いよいよ私のMC。フィンランド語であいさつをし簡単な自己紹介。その時ふと思いつき、最後に「ロヒケイット(鮭のスープ)が大好きです!」と付け足してみた。…ウケなかった…(そして、後でPhillipになんで余計なこと言うんだ、と怒られた…)

無我夢中で演奏し、最後は私の「なのはな」。TimoもPhillipも大好きになってくれて、ラストの曲に。ここでも私のMCが入る。フィンランドに菜の花は無い。皆知らないし、そもそもタイトル「Nanohana」ってなんだ?である。「なのはなは、日本に咲く可愛い黄色い花です。この花を見ると、とても幸せな気持ちになるんです」Phillipがほとんど考えたMCを言ったあと、思いついた。「日本では時々食べます」。
…ウケなかった…(そして叱られた)

アンコールのフィンランドタンゴも含め、大きな拍手をいただく。終わった後はいちもくさんに控室へ。気づけば足ががくがくして立っていられない。座って一息ついているとお客さんがちらほら立ち寄っては声をかけてくれる。中には、空港まで迎えにきてくれたTiinaも。「あなたの気持ちのこもった演奏、素晴らしかった。本当に良かったわ」心からの言葉に涙ぐんだ。

そしてあらためてマリアさんにご挨拶。ファンすぎて言葉にならない。玄関で一緒に写真を撮ったあと、校庭にあるブランコをマリアさんが見つけて私に言う。「もし私の夢が叶うなら、あのブランコで写真撮りたい!」アコーディオンの女王はなんとキュート!!

胸がいっぱいのまま、Timoさんの車で帰路。夜の8時位だけれどフィンランドはまだまだ明るい。車中、皆で「良いコンサートだった!」と語り合う中で、Timoさんが「そして今日は、ユカのサラダラップ記念日にもなってよかったよ!」と言う。根に持ってる!!(前回のブログ参照)