「コンサート一日目」フィンランド演奏記その5

いよいよコンサートの日。朝まずリハをしに、ヘルシンキミュージックセンターへ行き、全曲通し。今日はPhillipさんも一緒。リハを終え、時間はお昼、ゆっくりランチをしている時間は無いが、私とTimoさんはお腹がペコペコ。Timoさんは道沿いに見つけたマクドナルドのドライブスルーに入る。ギャルのような店員さんから、サラダラップとコーヒー二人分を頼む。フィンランドでマック、しかも普段の私には縁遠いドライブスルーにテンション爆上がりである。サラダラップは、日本にはないメニューで、チキンナゲットとサラダを小麦粉の皮で巻いたもの。コーヒーはえらくでかい。「サラダラップはマクドナルドの中でもヘルシーだから時々食べるんだ」と若干後ろめたそうにTimoさん。完全オーガニック派のPhillipさんは後部座席で不機嫌そうである。「ユカは病気もしたのに、マクドナルドなんて不健康なもの食べさせるなんて!」と言う。いえいえ、私は大丈夫ですよっと…。美味しそうにもぐもぐ食べる私をみてTimoさんが「ほら!ユカはこんなうれしそうに食べてるじゃないか!」とちょっとナーバスに。この人たちはこんな感じで何十年も一緒に仕事をしてきたのだろう…私をネタにけんかしないでほしい…

そんなこんなでLohjaへ。ヘルシンキの西50キロ位。そこのHongist地区にある学校の建物が本日のコンサート会場だ。木造の赤い可愛らしい建物。廃校になって以後、地域のコミュニティが管理しており様々なイベントが行われているそうだ。企画してくれたのはMinna-mariさん。普段はTimoさんやMariaさんのエージェントをしている。笑顔が素敵な、細やかな気遣いの方。今回のコンサートは無料で、地元の方々に気軽に聴いていただこうという企画。Minna-mariさんは、会場でふるまうシナモンロールやカレリアパイ、コーヒー等飲み物を準備している。控室兼準備部屋は、機織り機がたくさんある!

演奏する会場は、開放的で響きがよい。古い木製のアップライトが二台ある。しかしTimoさんが弾いてみたところ、調律が全然駄目で使えそうにない。残念…車からYAHAMAのエレピとBOZEのスピーカーを運び設置する。リハーサルを開始すると、初めて我々の生演奏を聴いたPhillipさんから興奮気味に、弾丸のように感想が飛び出す。音量や聴こえ方、言ってることは的確なのだが、まくしたてられてTimoさんがまたしてもナーバスになる(こういった展開、帰国した今でもちょいちょいあって、毎回どきどきする…)

本番直前、Timoさんが私に「Mariaが来るよ!」と言う。Mariaとはこの日記にも何度も出てきた、私が大ファンのアコーディオニストMaria Kalaniemiさんである。動揺半端ない…!!
今回はTimo-Mariaさんでアルバムに収録している「Arctic paradise」ニューアレンジバージョンや、フィンランドタンゴもある。
そしてフィンランドではじめてのコンサート。
とうとうここまで来てしまった、という感じだ。