「アレンジ」フィンランドレコーディングへの道-その7-

「君も僕も、全ての曲で構成を変えることが出来る。全部を変えてもいいし、変えなくてもいい。僕が弾いたデモは、ひとまず何かを始めてみただけなんだ。前もって練習してもっと良くしたいんだよ、分かる?」

というメールがTimoさんから届く。
二人とも母国語でない英語での会話は、時として理解しえない時がある。
最初、私はTimoさんがこのメールで何を言いたいのか分からなかった。

そういう時はPhillipさんに聞く。
すると彼は言った。「Timoは君のアイデアを待ってるんだよ!現地リハの前にアレンジのアイデアを共有して準備したいんだよ。ボールを転がし続けるように、忙しいTimoをつかまえてもっとコミュニケーションをとらなきゃ!」

そこでようやく気付く。
Timoさんは「我々のアレンジ」を創造したいんだなと。
今までそれぞれがやってきた曲を、そのまま二人に置き換えるのではない、その先のアレンジ。がらっと変えてもいいし、変えなくてもいい。そういうことか…
そして、その作業を、顔をつき合わせる現地でやるのではなく(日本だと現地でやると思う)、今やっておきたいのか…。
そして、Timoさんがピアノのラフを投げ終わった今、
それを基にアレンジを考え、まとめるのは私の役目なのかと…

あわててTimoさんにメールをする。
「アレンジ考えてみます!」と。

「ユカ、アレンジのアイデアある?今試しておきたいんだけど」
とか単刀直入に言ってくれれば分かるのにな…(ぼそ)