「リハーサル二日目」フィンランド演奏記その4

リハーサル二日目。今日もTimoさんの車でヘルシンキミュージックセンターへ。今日のリハーサル室は、ハーモニウム(リードオルガン)部屋。壁にみっしりとオルガンが並ぶ。うち古い一台は、Timoさんが何十年もレコーディングに使ってきた大切なものだそう。そのほかにもTimoさんは、車に入っていたオルガンも運び入れていたので、ここは主にTimoさんが使う部屋なのではないかと思われる。

前日ざっと通してはみたので、今日はより細かく。アレンジも決まってきて、大体問題点は洗い出されてきた。そろそろ言語の壁もお互いのストレスになったりもし、多少ピリつきつつも、うまくいかないところを何度もさらう。

お昼は、ホールの近くのカフェでサラダランチ。お皿山盛りサーモン!

あらかた仕上がってきて、まだ時間は少しある、というところで、今までTimoさんに話したことのなかったお願いをする。フィンランドの曲もTimoさんと演奏してみたい、と。特にフィンランドタンゴは、その哀愁あふれるメロディが好きで、自分でアレンジをし、ライブで演奏をしたりもしてきた。Timoさんは、Tango orchestra Untoというユニットを率いるスペシャリストである。大それた願いと思いつつ、ここまできたら悔いなく挑戦したい!
Timoさんは快諾してくださったが、アコーディオニストMaria Kalaniemiさんと演奏している、フィンランドタンゴSatumaaは、Maria&Timoが定着しすぎているからやらない方がいい、という。それはそうだろうと思っていたので、別のタンゴ「Hiljainen kylatie」の譜面をお渡しする。英語タイトルは「Quiet Village Road」。失恋の曲である。私のアレンジ譜を見て、おもむろにTimoさんが弾き始める。やはりこれが民族の血なのかという哀愁とTimoさん節がミックスされてぐっとくる。私の夢がまた一つ叶った瞬間だった。良い感じに仕上がったので、コンサートでも演奏しよう、ということになる。

リハ後、Timoさんは私を送り別のリハへ。親戚のAlakotilaさんたちが集まるファミリーバンドだそう。楽しそう!しかし多忙である…

帰宅後、Phillipさんと明日からのコンサートに向け準備。コンサート中、どこで何を言うか、全て文章化し、セットリストに組み込んでゆく。ここはTimoがしゃべり、この曲のあとはユカだ。いいかい、MCは長すぎない方がいいんだ、お客さんが飽きちゃうし、皆音楽を聴きに来てるんだから。こんな風にヴァルティナ(日本でも人気のある北欧のグループ)のアメリカコンサートの面倒もみたんだよ、とか。綿密かつ色々手厳しい。話す内容が決まったら、今度は発音特訓。「風の生まれる国」の英訳「Land of the Wind」がうまく言えず、何度も練習させられる。話す分量はそんなに多くないのだが、これは絶対頭真っ白になるやつだと思い、カンペも作る。