「フライヤー」フィンランドレコーディングへの道-その5-

少し遡って、4月。レコーディング予定日の前々日に、コンサートが決まった。仕事としてではなく、無料公演。まずは我々デュオを知ってもらおうというTimoさんとPhillipさんのアイデア。彼らは、時々寿司ランチをしながら、このプロジェクトについて話しあっているらしい…。

無料とはいえ、私は無名だし、足を運んでもらうためには、やはり知ってもらう手段が必要なのではないかと、ふと考える。そうだ、フライヤー位は作ったほうが…

この一世一代の無料コンサートのフライヤー、思い切ってデザイナーの吉田直之さんにお願いした。吉田さんは、ZABADAKの「宇宙のラヂオ」というアルバムに参加した時に、ジャケットデザインをされていて、知り合った。吉田さんの作品の、硬質な美しさ、空間の広がり、色彩感にすっかり感動した私は、いつか吉田さんの作品として見合うような自分のアルバムが出来たら、デザインをしてもらいたいと考えていた。そして出来上がったのが、ソロアルバム「秋の光」である。その後は、私のアーティスト写真も何度か撮っていただき、透明な庭 2nd Album「Moon night parade」もデザインしていただいた。

吉田さんは、快く引き受けてくださったが、問題は我々一緒の写真が無いことであった。しかし吉田さんは、我々それぞれの写真を組み合わせ、素敵なフライヤーを作ってくださった!Timoさんから、このコンサートの主催者もすごく喜んでいる、とすぐ返事がきた。

さらなる問題は、テキスト。Timoさんが、フィンランド人がメインの観客だからフィンランド語でも書かないと、と言う。アメリカ人のPhillipさんがテキストを整えるも、次々ダメ出しが入る。haitari(アコーディオンのこと)は、ちょっと安っぽい表現だから、harmonikkaがいい、など。
あげく、私は私で、Timoさんが間違えて私の名前をYukasと書いたのを、フィンランドでは名前にsつけるのかー!と早とちりして、吉田さんに訂正させちゃったり…

「 Vapaa pääsy」が入場無料、覚えました…